がんばるだけではダメ~介護業界の持続可能性とは?

介護の仕事をしていると、「頑張ることが大事」「介護は気持ちの仕事」といった言葉をよく耳にします。確かに、その通りです。利用者さんと向き合い、心を込めてケアをすることは、介護職としての大切な役割です。しかし、気持ちだけでは続けられないのも現実です。「頑張る」ことは大事ですが、それだけでは介護業界の持続可能性は見えてきません。

介護現場の厳しい現状

私が介護の仕事を始めたころ、先輩職員がこう言いました。「この仕事は気持ちが大事。でも、それだけじゃ続かないよ」。当時の私は、その意味を深く理解できていなかったと思います。介護の仕事はやりがいがあり、利用者さんの笑顔に救われることも多いです。しかし、厳しい現場を経験する中で、「頑張るだけではダメなんだ」と痛感する瞬間が増えていきました。

例えば、介護職員の労働環境は決して良いとは言えません。慢性的な人材不足により、1人の職員がこなす業務量が増え、休みも思うように取れない状況が続くことがあります。夜勤が続くと心身ともに疲労がたまり、「このまま続けられるのだろうか」と思うことも少なくありません。そんな時、周囲の同僚が「もう限界だ」と辞めていくのを見ると、介護業界の持続可能性について考えずにはいられません。

介護を持続可能なものにするための変革

介護業界を持続可能にするためには、次のような変革が求められます。

  • 働き方改革
    長時間労働を見直し、適正な人員配置を行うことで、職員の負担を軽減する必要があります。介護職員が無理なく働ける環境を作ることが、長く続けるための鍵となります。
  • 報酬の適正化
    介護の仕事は社会にとって必要不可欠なものです。それにもかかわらず、待遇や賃金が十分でないことが、離職率を高める原因となっています。「やりがいがあるから低賃金でも仕方ない」ではなく、「やりがいがあるからこそ、適正な報酬を得るべき」なのです。
  • テクノロジーの活用
    介護ロボットやAIの導入により、業務の負担を軽減することができます。私の職場でも最近、業務のデジタル化が進み、記録作業が効率化されました。こうした技術革新によって、介護の現場が少しずつ変わっていくことを実感しています。

介護の未来のために

介護業界を持続可能なものにするためには、個人の努力だけではなく、業界全体での改革が必要です。頑張ることは大事ですが、それだけでは長く続けることはできません。適切な環境を整え、介護職員が無理なく働ける仕組みを作ることこそが、本当に必要な変化なのではないでしょうか。

介護に関わるすべての人が安心して働ける環境を作り、持続可能な業界へと成長させていくこと。それこそが、未来へとつなぐ「本当に必要な頑張り」なのかもしれません。私も、その一員として、今日も介護の仕事に向き合っています。

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