介護事業所に今、求められるもの【ITパスポート】

現代社会にとって必要な資格

デジタル化が進む現代社会、どの産業、企業、事業所でも、必要となるリテラシーがあります。それを学べるのが『ITパスポート』です。この資格は『情報処理技術者』の基礎資格となります。
ITと言ってもデジタルの知識だけではなく、企業や事業運営に最低限必要なマネジメントやマーケティング、事業戦略等の知見が欠かせません。
実際、『ITパスポート』の試験の3つの分野、ストラテジ、マネジメント、テクノロジを網羅的に学びます。

ストラテジ系:ストラテジ系は、経営戦略やマーケティング、ITを活用した企業戦略に関する知識を問われる分野です。具体的には、企業の成長戦略や市場分析、競争優位性の確立などが含まれます。経営者やビジネスマンにとって重要なスキルを学ぶことができます

マネジメント系:マネジメント系は、プロジェクト管理やチーム運営、リスク管理など、組織の運営に関する知識を問われる分野です。PDCAサイクルや進捗管理、品質管理など、日常業務で役立つスキルを学ぶことができます

テクノロジ系:テクノロジ系は、IT技術やネットワーク、セキュリティに関する基礎知識を問われる分野です。具体的には、コンピュータの仕組みやクラウド、セキュリティ対策などが含まれます。ITの基礎を理解することで、業務の効率化やトラブルシューティングに役立ちます

介護事業所におけるITパスポートの重要性

昨今、多くの企業が社員にITパスポートの取得を推奨しています。新卒採用時にも考慮されるため、学生の取得も増えています。これは、デジタル化が進む現代社会において、ITリテラシーが重要視されているためです。例えば、ニトリホールディングスでは、全社員の80%にITパスポートを取得させる計画を発表しています。また、さくらインターネットの社長も自らITパスポートを取得し、社員に取得を促しています。

ITに対する介護事業所の消極的な姿勢

一方で、介護事業所の経営者やスタッフは、ITパスポートの取得に消極的であるか、そもそもその存在を知らないことが多いです。これは、介護業界が伝統的にIT技術の導入が遅れていることや、現場の業務が忙しく、学習の時間を確保しにくいことが原因と考えられます。
しかし、介護業界においてもITパスポートの取得は非常に重要です。IT技術を活用することで、業務の効率化や情報管理の向上が期待できます。例えば、電子カルテの導入や、リモートケアの実施などが挙げられます。これにより、介護スタッフは本来の業務に集中でき、利用者へのサービスの質が向上します。

まとめ

ITパスポートは、ストラテジ、マネジメント、テクノロジの3つの分野で構成されており、経営戦略やプロジェクト管理、IT技術に関する基礎知識を学ぶことができます。多くの企業が社員にITパスポートの取得を推奨している一方で、介護事業所ではその重要性が認識されていないことが多いです。しかし、介護業界においてもITパスポートの取得は業務の効率化やサービスの質向上に寄与するため、積極的に取得を推奨すべきです。
介護事業所も自らを振り返ることで、現代社会において、企業や組織に求められている組織運営や事業運営、リテラシーやガバナンス、社会的責任等を積極的に取り組むことによって、働く側にとっても魅力ある職業の一つになれるよう努力する必要があると思います。逆に、それなくしては、介護業界に未来はないとも感じます。

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