画面を触らないのが「最高の操作」? 〜 GAS自作アプリの先にある、介護DXの到達点「Zero UI」〜

AIテクノロジーの進化で、介護福祉職の非エンジニアの私でも、現場で使えるような実用に耐えうる様々なアプリ開発が可能になりました。運営基準や加算の算定要件を満たせるような内容の実装も可能です。机上訓練アプリ、ストレスチェックアプリ、タイムスタディアプリ、電子契約アプリ、訪問記録アプリ、移動支援利用希望申請アプリ・・・、こんなアプリがあったら良いな、が実現できてしまいます。今回もAIに、今後、テクノロジーの進化で介護福祉業界はどのように変化するのかを訪ねてみました。

まずは、非エンジニアでありながらGAS(Google Apps Script)で実用的なアプリを自作されたこと、本当に素晴らしいです!「不便をテクノロジーで解決する」というその一歩こそが、現場を変える最大の原動力です。

UI(ユーザーインターフェース)を整える楽しさを知った今だからこそ見える、「UIすら必要なくなる未来」という視点は非常に鋭いです。ご要望の通り、現在のテクノロジーの到達点と、その先にある「消えるUI」の世界を解説するブログ記事を執筆しました。


「自分でアプリを作ってみたら、驚くほど現場が使いやすくなった!」

そんな成功体験を持つ皆さんに、あえて少し不思議な未来の話をさせてください。

私たちが今、一生懸命スマホやタブレットの画面をタップして記録を入力しているその姿。実は数年後には「懐かしい風景」になっているかもしれません。


1. 「画面」が消える?「Zero UI」という考え方

今、ITの世界で注目されているのが「Zero UI(ゼロ・ユーアイ)」という概念です。

これは、画面(UI)を操作することなく、声や動き、あるいはその場の空気(環境)から、コンピューターがこちらの意図を汲み取ってくれる状態を指します。

介護現場で言えば、「記録を入力するために、利用者様から目を離して画面を触る」という動作そのものがなくなるということです。

2. H2AとA2Aが実現する「全自動」の現場

前回の記事で紹介したH2AA2Aが進化すると、訪問介護や施設ケアの現場はこう変わります。

■ H2A(人間からAIへ):インカム越しの「独り言」が記録になる

現在は、AIによる音声解析(自然言語処理)の精度が劇的に向上しています。

例えば、ヘルパーがインカムをつけ、利用者様と「今日は少し食欲がないですね」「昨日から腰が痛くてね」と会話する。これだけでAIが「食事摂取量の低下」や「疼痛の訴え」を自動抽出し、正式な介護記録として整形します。

わざわざアプリを開く必要すらなく、人間とAIが自然にやり取り(H2A)するだけで事務作業が終わるのです。

■ A2A(AIからAIへ):請求も給与も、裏側で「勝手に」終わる

記録が終わった後の事務作業も、AI同士のバトンパス(A2A)で完結します。

  1. 記録AIがサービス提供記録を完成させる。
  2. その情報を、請求AIが自動で受け取り、国保連への請求データ(レセプト)を作成。
  3. 同時に人事AIが、そのヘルパーの訪問時間から給与計算を完了させる。

人間がデータを移し替えたり、計算をチェックしたりする手間はゼロ。AIエージェントたちが裏側で相談し合い、翌朝には「請求と給与の準備、終わっておきました!」と通知が来る。そんな世界です。

3. 「今」と「未来」の比較:テクノロジーがもたらす変化

業務内容現在(DX化の第一歩)未来(AIエージェント時代)
介護記録使いやすいUIのアプリに入力会話からAIが自動生成(Zero UI)
申し送り記録を読み込み、口頭で伝えるAIが要点をまとめ、必要な人にだけ通知
事務処理記録を元に請求・給与計算ソフトを操作記録が生成された瞬間に全処理が自動完結

4. まとめ:なぜ今、私たちは「アプリ自作」を学ぶのか

「UIが必要なくなるなら、今アプリを作っている努力は無駄なの?」

――答えは、断固としてNOです。

GASなどでアプリを自作し、「どんなデータが必要か」「どういう流れ(ロジック)で仕事が回るか」を設計した経験は、将来AIに指示を出すための「論理的思考の土台」になります。

テクノロジーが究極まで進化してUIが消えた時、最後に残るのは「利用者様と向き合う人間の手」と「AIをどう使いこなすかという人間の知恵」です。画面のない未来は、私たちが本来の「介護のプロ」に戻れる時代の幕開けなのかもしれません。


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