「未来はワクワクする時代」というメッセージが、なぜ若者に響かないのか?

年齢を重ねた人が持つ、未来に対するワクワク感。AI技術の進化やヒューマノイドロボットの商用化など、この時代ならではの胸の高鳴りを感じている中高年の人は少なくないかと思います。それ自体は素晴らしいことなのですが、その想いを若者に伝えたいのに、なぜかうまく伝わらないと感じておられるかもしれません。それは、決してあなたの考えが「おごり」なのではなく、世代間で未来に対する捉え方や背負っているものが根本的に違うからです。

1. 未来は「希望」ではなく「課題」

高度経済成長期に青春を過ごされた世代にとって、未来は「右肩上がりの希望」でした。努力すればするほど生活は豊かになり、家庭を持ち、車や家を手に入れることが現実的な目標でした。未来は「より良い生活」とイコールで結ばれていたのです。

しかし、現代の若者が目にする未来は、AIによる雇用の喪失、少子高齢化による社会保障の崩壊、気候変動、そして膨大な国の借金といった、「自分たちが解決しなければならない重い課題」として提示されています。彼らにとって、AIやロボットは「未来を豊かにする技術」であると同時に、「自分の仕事が奪われるかもしれない脅威」でもあるのです。

2. 「成長」から「維持」へ、成功体験の欠如

高度経済成長期は、日本全体が「成長」という明確な目標に向かって突き進んでいた時代です。皆が困難を乗り越え、国を再建し、世界に誇れる経済大国を築き上げたという共通の成功体験を持っています。この経験が、「どんな困難も、知恵と努力で乗り越えられる」という、未来への強い確信とポジティブなエネルギーを生み出しているのではないでしょうか。

一方、「失われた30年」の中で育った若者たちは、社会全体が停滞し、経済的な成功体験を共有していません。彼らが感じるのは、「未来を良くする」ことよりも、「現状を維持する」ことの難しさです。そのため、過去の成功や安定した時代に拠り所を求めてしまうのは、ある意味、自然な心理と言えます。

3. 「面白さ」を共有する対話の重要性

中高年層が抱く「今はめちゃくちゃ面白い時代なんだよ」という気持ちは、若者たちにぜひ伝えてほしいものです。しかし、単に未来の技術や変化のすごさを語るだけでは、彼らの心には響きにくいかもしれません。なぜなら、その言葉の裏には、彼らが抱える不安や閉塞感への無理解が透けて見えてしまう可能性があるからです。

大切なのは、彼らの不安に寄り添うことから始める対話です。

「確かに、AIで仕事がなくなるかもしれないという不安はよくわかる。でも、そのAIを使いこなして、誰も見たことのない新しい仕事を作ることもできる。変化の波に飲み込まれるのではなく、その波に乗って一緒に新しい時代を創っていこう」

このように、彼らが抱える具体的な不安を理解した上で、その不安を乗り越えるための「面白さ」を提示することで、初めて彼らは未来にワクワクするエネルギーを感じられるのではないでしょうか。

中高年世代の方が持つ、変化を面白がるポジティブなエネルギーと、時代を乗り越えてきた確かな知恵は、現代の若者にとって何にも代えがたい財産です。その素晴らしい想いを、ぜひ対話を通じて分かち合ってみてください。ちむどんどんのパッションの未来はきっと、若い世代に引き継がれてゆくはずです!

「ちむどんんどん」とは?

ちむどんどん」= 胸がドキドキする
ちむどんどん」は沖縄の方言で、「胸がドキドキする」という意味です。具体的には、「ちむ」は「心」を指し、「どんどん」は心臓の高鳴りを表現しています。この言葉は、わくわくしたり緊張したりする感情を表す際に使われます。

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