
昨日の記事の続きですが、厚生労働省のウェブサイトからダウンロードした『ストレスチェック実施プログラム』アプリを実際に使う場面では、特に以下の点に注意してください。
1. データのセキュリティとプライバシー保護
- 保管場所の厳選: ストレスチェックの結果データは、極めて機密性の高い個人情報です。プログラムの入ったフォルダは、実施者のみがアクセスできるPCや、厳重に管理されたフォルダに保管してください。ネットワーク上の共有フォルダへの配置は避けるべきです。
- パスワード管理: プログラムのログインパスワードや、結果ファイルを保護するためのパスワードは、第三者に知られないように厳重に管理し、定期的に変更しましょう。
2. 実施体制の明確化
- 役割分担の確認: 実施者、実施事務従事者、産業医(面接指導医)など、関わる人々の役割を明確にし、それぞれが守るべき秘密保持義務について周知徹底することが重要です。
3. 運用方法の統一
- マニュアルの活用: プログラムの操作や手順に迷った際は、必ず
manual
フォルダ内のPDFを参照してください。特に「manual_after.pdf
」は、高ストレス者への対応や集団分析など、法的な義務に関わる重要な手順が記載されているため、事前に熟読しておく必要があります。
4. 高ストレス者の選定と面接指導
- 選定基準の明確化: アプリが自動で高ストレス者を選定しますが、その根拠となる「合計点数法」と「素点換算法」のどちらを用いるか、事前に衛生委員会などで決めておく必要があります。
- 面接指導の申し出: 高ストレスと判定された従業員に対しては、医師による面接指導を促しますが、あくまで本人の希望があった場合のみ対応します。事業者が強制することは法律で禁じられています。面接指導の申し出の有無を本人の同意なく事業者側が知ることはできません。
このプログラムは、ストレスチェック制度の円滑な運用を強力に支援するものですが、運用の要となるのは、プログラムを扱う人の正しい知識と厳格な管理です。ダウンロードしたマニュアルを参考に、制度の趣旨を理解した上で活用を進めてください。具体的には、厳重に管理されたサーバーに設置し、職員に対しては『受検者回答用アプリ』のみにアクセス可能な状態とし、それ以外のファイルには絶対にアクセスできないよう管理するようにしてください。
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