
訪問介護事業所では、各種の研修や委員会等の開催結果の周知など、ヘルパーに対して様々な情報発信が運営基準や加算の算定要件で求められています。
例えば、皆さまの事業所では研修は、どのように実施してますでしょうか? 資料を紙で渡して、紙のレポートを提出してもらう、といったアナログで実施されているところも少なくないかもしれません。
最近では研修動画サービスも増え、オンラインでの実施も一般的になっていますね。
私も、以前は、紙で資料を配布し紙のレポートを提出してもらっていましたが、ペーパーレス化を目指して資料をPDFで配信するようになりました。ところが、資料をスマホで閲覧するヘルパーがほとんどで、資料が見にくい、どのページを見ているのか途中で分からなくなる等など、評判がすこぶる悪かったのを記憶しています。
次にチャレンジしたのが、紙の研修資料を動画化して配信する、といった方法でした。紙の資料をGoogleフォトのOCR機能でテキスト抽出し、書き言葉を話し言葉にして、それを音読さん等の合成音声で音声データ化し、動画編集アプリに音声データを取り込んで、音声に合わせて資料の図版を貼り付けてゆく、といった感じで紙の研修資料を動画化して配信する形にしてみました。この方式は評判が良くて、ヘルパーさんにも内容が伝わっている感じがしました。もちろん、レポートもオンライン提出です。慣れれば、半日位で15分の研修動画が作れます。もちろん、既存の研修動画配信サービスを使えば、動画編集をする必要はないのですが、事業所独自の内容を配信する場合は、動画制作の内製化が必要となります。
また、特定事業所加算の取得要件のひとつに、月に1回以上全員が参加する会議を開催すること、という要件があります。訪問介護事業所ならではのことではありますが、ヘルパーさんが一斉に集まれる時間が取れないことが上げられます。朝から夜まで、また、月曜日から日曜日まで、常に誰かは稼働しています。必然的に会議は何回も開催しなければならなくなります。
しかしながら、月に必ず1回開催される会議の場は逆に捉えたら、常に誰かが稼働している訪問介護事業所にとってメリットもあります。介護保険においては年間を通じてヘルパーさんに報告したり周知したり、伝達しなければならないことが多々あります。会議の場は、なにも特定事業所加算だけのためではなく、事業所運営において必須な事項も一緒にできると考えたら一石二鳥なのです。
ところで、それらの内容をヘルパー全員に伝わるように、サービス提供責任者が何回も話すのは大変なことですし、サ責ごとに微妙に違ってしまうかもしれません。いわゆる、ムリ、ムダ、ムラが生じてしまいます。そんな時も動画を作れば、ムリ、ムダ、ムラが解消されます。動画制作と配信は、訪問介護事業所にとっては正に、なくてはならないツールだと思うのです。
そんな私も、以前は動画なんて作ったこともありませんでした。最初は見様見真似で、Windowsに付いているツールのフォト(昔のバージョンは簡単な動画編集もできました)で、稚拙な動画を作っていました。パソコン画面に説明用資料を写して画面撮影する際にも、無料の画面撮影アプリを使っていて、エクスポートするとしっかりウォーターマークが入ってしまっていました。
だんだんと動画編集に慣れてゆき、今では、本格的な動画編集アプリで自由に動画が作れるまでになりました。また、画面撮影もユーチューバー御用達のOBSstudioを駆使したり、TPOに応じて各種のアプリやツールを組み合わせで動画を作れるようになりました。
仕事の必要性ではじめた動画編集ですが、これはこれで、すごく楽しい作業です。訪問介護と動画配信は、とても親和性が高い組み合わせだと感じます。
皆さまもぜひ、動画編集にトライしてみてください。
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