
介護福祉の仕事に携わっていると、ふと「今の制度があるのは、過去の誰かの努力があったからだ」と考える瞬間があります。私自身、介護の現場に立つたびに、これは単なる支援ではなく、歴史のバトンを受け取る仕事なのだと実感します。
今の介護福祉制度は、先人たちの苦労と努力の上に成り立っています。かつて介護が十分に整備されていなかった時代、家族や支援者は試行錯誤を繰り返しながら、より良いケアを求めて動いていました。障害福祉の分野でも同じです。黎明期を生きた家族が「我が子にとって、少しでも生きやすい社会を」と、たゆまぬ努力を積み重ねたからこそ、今の制度があるのです。
私はそんな先人たちからバトンを受け取り、次の世代へつなぐ役目を担っています。決してバトンを落とすことなく、むしろ少しでも前へと進めること。それが私が介護福祉の仕事に向き合い続ける理由です。
ある日、ご利用者様から「昔はこんなに支援が整っていなかったんだよ」と話を聞きました。「家族が一人で介護を背負って、それがどれほど大変だったか、あなたたちは知らないでしょう」と。確かに、今の制度は決して完璧ではありません。それでも、介護が家族だけの責任ではなく、社会の仕組みとして成り立っていることは、当時の人々からすれば大きな前進です。
だからこそ、私たちの役割は明確です。より良い支援を提供しながら、次の世代にさらに良い制度をつないでいくこと。時代が変わっても、介護福祉の本質は変わりません。人と人が寄り添い、支え合うこと。それを続けるために、私は今日も介護の現場に立っています。
コメント