
2026年2月。世間ではSaaS企業の株価大暴落や「SaaSの死」という過激な言葉が飛び交い、一方で現場では6月の介護保険・障害福祉サービスの報酬改定に向けた準備が加速しています。このカオスな分岐点に立つ私たち訪問系サービスの人間が、どう「武器」を持ち替えるべきか。
2026年、SaaSの終焉と「自炊するDX」の幕開け:令和8年報酬改定を味方につける生存戦略
2026年6月。介護保険・障害福祉サービスの双方で実施される「期中報酬改定」の足音が、いよいよ間近に迫ってきました。今回の改定の目玉は、単なる数パーセントのプラス改定ではありません。本質は、「生産性向上」と「データ連携」を、もはや努力目標ではなく「算定の絶対条件」へと引き上げた点にあります。
しかし、ここで一つ奇妙な現象が起きています。
テック業界に目を向けると、これまで「DXの旗手」だったはずのSaaS(クラウド型業務ソフト)企業が、株式市場で歴史的な大暴落を見せているのです。メディアはこぞって「SaaSの死」と報じています。
「ITを導入しろ」と言われる一方で、「IT企業が危機」だというニュース。
この矛盾の中にこそ、私たち訪問介護や障害福祉の現場が「本当の自由」を手に入れるヒントが隠されています。
なぜ今「SaaSの死」が叫ばれているのか?
これまで、私たちは「現場をIT化したい」と思ったら、月額数万円を払って既製品のソフトを契約するしかありませんでした。しかし、多くの現場スタッフは感じていたはずです。
- 「このボタン、うちの事業所では絶対使わないんだけどな……」
- 「この入力項目を一つ増やすだけで、追加改修に数十万円かかるのか?」
- 「ソフトに自分たちの動きを合わせるのが、一番のストレスだ」
SaaSの死。それは「誰かが決めた汎用的な仕組みに、現場が合わせる時代」の終わりを意味します。
2026年現在、AI(人工知能)は、プログラミングの知識が全くない「現場の人間」に、魔法の杖を授けました。
「バイブコーディング」が変える、泥臭い現場のDX
最近、エンジニア界隈では「Vibe Coding(バイブコーディング)」という言葉が流行っています。これは、難しいコードを書くのではなく、「こんなアプリが欲しい」という熱意とノウハウ(バイブス)をAIに伝えるだけで、アプリを組み上げてしまう手法です。
これが、実は訪問系サービスと猛烈に相性が良いのです。
例えば、訪問介護のサービス提供責任者がAIにこう話しかけます。
「月曜の朝、Aヘルパーが急欠したときに、移動効率を落とさず代行を自動提案してくれるLINE連携ツールを作って」
AIは即座にコードを生成し、数分後にはあなたのスマートフォンで動く「世界に一つだけの自社専用アプリ」が完成します。もはや、ITベンダーに頭を下げ、高額な月額費用を払い続ける必要はありません。「現場の使いやすさ」を一番知っているあなたが、開発者になれる時代が来たのです。
「福祉にITなんて」という偏見を、優しさで上書きする
「介護や福祉は人と人の触れ合い。機械なんかに頼りたくない」
そうおっしゃる方の気持ちも、痛いほどわかります。しかし、今の現場はどうでしょうか。
山のような報告書、複雑怪奇な加算の計算、終わらないシフト調整。これらの「非人間的な作業」に追われ、肝心の利用者様と向き合う時間が削られてはいませんか?
今回の令和8年6月改定で求められる「生産性向上」の真意は、「テクノロジーに汗をかかせ、人間は温もりだけを担当する」という役割分担の明確化です。
AIで作った自作アプリが、ケアプランのデータ連携を自動で終わらせてくれる。
AIが、ヘルパーさんの体調やモチベーションを会話から察知し、フォローが必要なサインを出してくれる。
これこそが、dxmindo.orgが提唱する「血の通ったDX」です。
まとめ:私たちは「選ぶ側」から「作る側」へ
6月の報酬改定に向け、多くのITベンダーが「対応ソフト」を売り込みに来るでしょう。しかし、一歩立ち止まって考えてみてください。
これからは、高価な既製品を「使いこなそう」と無理をする必要はありません。
現場で感じる「ここが面倒くさい」という小さなトゲを、AIという研磨剤を使って、自分たちの手で滑らかにしていく。そんな「自炊するDX」こそが、これからの福祉経営のスタンダードになります。
「福祉にIT?」と眉をひそめていた時代は終わりました。
これからは、「福祉だからこそ、最強のAIを使いこなす」。
その先にあるのは、スタッフが笑顔で、利用者様が安心して暮らせる、ごく当たり前の「豊かな現場」です。
dxmindo.orgは、そんな「自分で作る未来」を歩む皆さんの、一番の理解者であり続けます。

