【介護福祉】ノーコードか? コーディングか?

2025年、私たちは「バイブコーディング(Vibe Coding)」という、かつてのプログラミングの常識を覆す時代に突入しました。

もはや、難解なコードを一行ずつ書く必要はありません。エンジニアでなくても、ITの専門用語を知らなくても、「こういうアプリが欲しい」という熱量(バイブス)をAIに伝えるだけで、現場の課題を解決する実務レベルのアプリが数分で立ち上がる世界です。

この変革は、長年「人手不足」と「アナログな業務」に苦しんできた介護福祉業界に、かつてない追い風をもたらします。今回は、この時代に介護職がどのように「ブルーカラービリオネア(高年収の現場専門職)」を目指し、何を学ぶべきかを考えます。


これまで、現場の「ちょっとした不便」を解消するシステムを作るには、莫大な予算をかけて外注するか、使い勝手の悪い汎用ソフトを我慢して使うしかありませんでした。

しかし2025年現在、AIエージェント(CursorやDevin、Clineなど)の進化により、以下のようなことが現場の介護職員の手で完結します。

  • 完全カスタマイズの記録アプリ: 「うちの施設の動線に合わせた、音声入力メインの報告書ツール」を、AIとの対話だけでその日のうちに作成。
  • AIシフト調整: 職員の相性や希望、急な欠勤を考慮した最適なシフト表を、複雑な計算なしで生成。
  • ヒヤリハット予測: 過去のデータを読み込ませ、事故のリスクが高い時間帯や場所を自動で警告する仕組みの構築。

「ノーコードツールを覚える」必要すらありません。 必要なのは、ITスキルではなく、「現場の痛みを言語化する力」です。


アメリカを中心に広まった「ブルーカラービリオネア」という言葉。これは、AIがホワイトカラーの事務作業を代替する一方で、「現実世界で人間にしかできない高度な対人スキルと肉体労働」を持つ層の所得が爆発的に向上する現象を指します。

介護福祉業界は、その筆頭です。

  • AIにはできない「触れる」ケア: 食事、入浴、排泄の介助や、認知症の方への繊細な声かけは、どんなにAIが進化しても代替不可能な聖域です。
  • 現場知×アプリ開発=最強の課題解決者: 介護の専門知識を持ちながら、バイブコーディングで自律的に業務を効率化できる人材は、経営側から見れば「喉から手が出るほど欲しい」宝です。

この激変の時代、私たちが磨くべきは「ITの操作方法」ではありません。以下の3つの資質にフォーカスすべきです。

① 「現場の解像度」を上げる(観察力)

AIに「良いアプリ」を作らせるには、課題を具体的に伝える必要があります。「なんとなく忙しい」ではなく、「誰が、どのタイミングで、どの情報を探すのに3分ロスしているか」を特定できる観察力こそが、開発の源泉になります。

② AIとの対話術(プロンプトではなく「バイブス」)

細かな命令文(プロンプト)のテクニックは不要になりつつあります。大切なのは、AIを「有能な新人エンジニア」だと思い、自分たちの理想や情熱を共有する力です。対話を通じて試行錯誤を繰り返す「粘り強さ」が、実務レベルの完成度を生みます。

③ 倫理観と人間中心の設計(マインドセット)

技術が身近になるからこそ、「そのアプリは利用者の尊厳を守っているか?」「職員の負担を本当に減らしているか?」という哲学が問われます。技術を盲信するのではなく、「人間が人間らしくあるためのテクノロジー」という視点を学び続ける必要があります。


2025年以降、介護福祉は「きつい・汚い・危険」の3Kから、「クリエイティブ・ケア・キャピタル(創造的で、慈しみがあり、富を生む)」の3Cへと変貌を遂げる可能性を秘めています。

バイブコーディングという魔法を手に入れた私たちは、もはやシステムに使われる側ではありません。自らツールを生み出し、現場を変革し、その専門性に見合った正当な報酬を手にする。そんな「ブルーカラービリオネア」への扉は、すでに開かれています。

まずは、身近な不便を一つ、AIに相談してみることから始めてみませんか?

コメント