
毎年恒例の健康診断が近づくと、私の心はまるで戦場のようになります。なぜなら、健康診断の一週間前から断酒し、ダイエットに励むという自己犠牲の儀式が始まるからです。受診は義務なので、逃げるわけにもいきません。そして、大嫌いな身の毛もよだつ献血という名の注射。心穏やかからは程遠い一週間が始まります。
まず、断酒。私はビールが大好きで、仕事終わりの一杯が至福のひととき。しかし、健康診断のためにはその楽しみを一週間とはいえ、一時的に封印しなければなりません。友人たちが「一杯だけなら大丈夫だよ」と誘惑してくる中、私は鉄の意志で「いや、健康診断があるから」と断り続けます。まるで修行僧のような気分です。
次にダイエット。普段はラーメンやカレーが大好きで、食べることが生きがい。しかし、健康診断のためにはカロリーを抑えた食事に切り替えます。サラダやスムージーが主食となり、まるでウサギのような食生活に変わります。お腹が空いても「これは健康診断のためだ」と自分に言い聞かせ、耐え忍びます。
そして、いよいよ、約3キロのダイエットで減量した身体でのぞんだ健康診断当日。朝早くから病院に向かい、受付を済ませると、待合室で順番を待ちます。心の中では「早く終わってくれ~っ」と祈りつつ、他の受診者さんたちと一緒に静かに待ちます。
しかし、私にとって最大の試練は注射です。注射が大嫌いで、献血をすると思うだけで血圧が爆上がりしてしまうほど。看護師さんが「リラックスしてくださいね」と優しく声をかけてくれますが、心の中では「無理無理無理!」と叫んでいます。注射の針が近づくたびに、まるで映画のスローモーションシーンのように時間がゆっくりと流れます。
それでも、なんとか健康診断を乗り越え、結果が出るのを待ちます。結果が良ければ「断酒とダイエットの甲斐があった!」と喜び、悪ければ「来年こそはもっと頑張ろう」と決意を新たにします。
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