
「消費税ゼロ」「社会保険料を下げろ」~~耳障りの良い言葉が飛び交うたびに、私たちの心は揺れ動きます。しかし、介護福祉の現場で働く私たちは、その甘い言葉の裏に隠された、どうしようもない現実を誰よりも知っています。
日本社会は今、まるで出口の見えない迷宮に迷い込んでしまったかのようです。
🚨 目の前の希望が、未来の絶望を生む「トレードオフ」
政治家が提示する「消費税の廃止」という政策は、一見すると私たちの暮らしを豊かにする希望の光に見えます。しかし、その光は、私たち自身の未来を焼き尽くす可能性を秘めた、危険な炎でもあります。
消費税収、およそ23兆円。この巨大な財源は、社会保障という私たちのセーフティネットを支える大黒柱です。この柱を抜いてしまえば、家は崩れ落ちます。そして、その崩壊のツケは、必ず私たちに回ってきます。
- 社会保険料のさらなる高騰:給料から天引きされる年金や介護保険料が、今よりもさらに重い負担となるでしょう。手取りは減り、日々の生活は苦しくなります。
- 社会保障サービスの縮小:財源が不足すれば、介護保険の給付率が引き下げられたり、自己負担額が増えたりするかもしれません。私たちが日々向き合っている利用者さんの尊厳ある生活が、直接的に脅かされることになります。
これは、誰かが得をすれば誰かが損をする、という単純な話ではありません。目の前の利益を追い求めれば、必ず未来の負担が増すという、絶望的な「トレードオフ」です。
📉 低年金と生活保護:誰もが陥るかもしれない奈落
「年金制度は破綻しない」という言葉を、私たちはもう素直に信じることができません。制度は存続するかもしれませんが、給付水準の低下は避けられない現実だからです。
日本の人口構成は、すでに「胴太りのピラミッド型」から「逆三角形」へと姿を変えつつあります。1990年には現役世代3人で高齢者1人を支えていましたが、2025年には現役世代2人で1人を支える時代が到来します。
この構造が意味するのは、年金だけでは生活できない高齢者が増え続けるということです。そうなれば、多くの人々が、最後の砦である生活保護に頼らざるを得なくなります。
- 2022年度の生活保護受給者数:約200万人
- 生活保護費:年間約4兆円
もし、この受給者数がさらに膨れ上がればどうなるでしょうか? 財源はあっという間に底をつき、生活保護制度そのものが機能不全に陥る可能性があります。
年金制度が破綻しない代わりに、生活保護制度が崩壊する。「誰もが安心できる老後」という社会の前提が、根底から揺らいでいるのです。
🌍 希望を見出すための第一歩:無力な私たちができること
こうした絶望的な状況を前に、私たちは無力感を覚えるかもしれません。政治家が掲げる甘い言葉に流され、「もうどうにでもなれ」という気持ちになることもあるでしょう。
しかし、私たち介護福祉の専門職には、他の誰も持っていない特別な視点があります。それは、人の「生」の尊厳と、社会の持続可能性を、日々肌で感じているということです。
絶望しかないように見える現状でも、決して諦めてはいけません。
この迷宮の出口は、もしかしたら、私たちが自らの手で、小さな光を灯し続けることで見つかるのかもしれません。
- 現状を学び、語り続けること。無関心こそが、ポピュリズムを加速させる最大の要因です。私たちは、この厳しい現実を学び、家族や友人、そして利用者さんに伝え続ける必要があります。
- 無責任な議論に声を上げること。「消費税廃止」という言葉に安易に賛同するのではなく、「その財源はどこから?」と問い続ける勇気を持ちましょう。
- 目の前の利用者さんを、全力でケアすること。どんなに社会が不安定になっても、私たちの仕事がなくなることはありません。一人ひとりの利用者さんに寄り添うケアこそが、この社会を支える最も確かな希望なのです。
行き詰った現状に、明確な解決策は見つからないかもしれません。しかし、私たち一人ひとりが、希望を灯す小さなろうそくとなり、その光を絶やさずにいれば、いつかその光が重なり合い、未来を照らす大きな光となるはずです。
私たちは、ただの介護士ではありません。『介護』というフィルターを通じて、この国の未来を、誰よりも深く考えるべき希望の担い手なのです。私たちの仕事は、何よりも、『人と人がどう』支えあうべきなのか、どう接しあうべきなのか、どう想うべきなのか。。。その最前線にいるのですから。。。歴史のバトンは1ミリでも前に伝えてゆきたい。。。そんな想いが私たちを突き動かしているのだと思うのです。。。
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