今、AIが世の中の仕組みを根本から変えつつある

現在のAIブームのきっかけとなったのが、2017年にGoogle翻訳チームが論文として発表したTransformer技術だ。

その後、2019年からコロナ禍が世界を覆い尽くした。

コロナ禍の中、2022年に画像生成AIが登場し、その年の11月末にOpenAIからChatGPT3.5がリリースされ、その自然すぎる文章に世界が驚愕し、そして席巻した。

しかしながら、平然と間違った内容の文章を生成してしまうハルシネーションや学習した時点での知識しかないこと、高度な内容を答えられるのに簡単な算数問題が解けないことなど、いくつかの致命的な課題があった。

これらの課題に対し、ネット検索で知識を補完する機能や論理的に推論する機能、AIが自身の間違いに気付き修正する機能等などが追加されていった。

また、動画生成においても、物理的な動きが再現できない、人物等の一貫性が保てない、指が動けない等といった課題の克服に注力が注がれ、今年2025年に遂にこれらの問題も解決された。

一方、テキストや画像、音声などを一体的に扱えるマルチモーダル化も進んでいった。

現在のGoogleGeminiやMicrosoftCopilot、ChatGPT等のAIサービスは、単に、テキストや画像を生成するのではなく、目標を達成するためのプロセスを立て、自律的な判断でタスクを計画、実行するエージェントタイプへと進化を遂げた。

画像をアップロードすれば、その画像を元に課題解決の支援をしてくれるし、音声データをアップロードすれば議事録を作成してくれるまでに至っている。また、コードのファイルをアップロードすれば、デバッグや機能の追加、修正、UIやUXの修正変更までおこなってくれる。

2023年、2024年を経て本年2025年は、世界の産業構造まで変えるに至っている。

今まで高学歴、高収入を維持していた知的労働を担うホワイトカラーの仕事の一部が完全にAIに置き換わり、エントリークラスのエンジニアは仕事自体が無くなるほどになっている。

コロナ禍で露呈したエッセンシャルワークの重要性とAIエージェントの台頭は、高収入を稼ぎ出すブルーワーカービリオネアといった層まで生み出しつつある。

大卒で高学歴で高度な知識を有する人材がホワイトカラーの仕事に赴き高収入を得る、といったこれまでの職業観が揺らぎ始めている。

高卒の技術職のブルーワーカーが高収入を得るといった逆転現象まで見られるようになった。社会の、世の中の全てが急速に変わりつつある。

介護福祉業界は報酬が法定価格として定められているため、青天井で収入が上がることはないものの、厚生労働省もアドバンストエッセンシャルワーカーといった言葉を使い始めるなど、決して世界の潮流や世の中の変化と無縁ではない。

私たち、介護福祉に赴くエッセンシャルワーカーは、この潮流にどう関わってゆくのか試されている。

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