AI時代に仕事が消えるのは事務職?- 今こそ介護・福祉業界が「異業種」を狙い撃つべき理由

AIの普及によってホワイトカラーの仕事が効率化・代替され、一方で「人にしかできない」介護現場の価値が相対的に高まっている今、どのような視点で人材確保・採用を考えるべきか。今回は、そんなテーマでブログ記事を書きました。


2026年、私たちの働き方は大きな転換点を迎えています。

ChatGPTをはじめとする生成AIの普及は、かつて「安定」の象徴だったホワイトカラーや事務職の現場を劇的に変えてしまいました。

一方で、介護・福祉の現場では相変わらず深刻な人手不足が続いています。しかし、これはピンチではなく「採用のブルーオーシャン」が広がっているサインかもしれません。

今回は、なぜ今、介護業界が「福祉を目指していない人」にこそアピールすべきなのか、その事実と戦略を整理します。


現在、労働市場では極端な二極化が進んでいます。

  • ホワイトカラー・事務職の「人余り」:AIによる業務効率化により、データ入力、スケジュール管理、資料作成といった「デスクワーク」の需要が急減。特に中間管理職や事務部門では、仕事がAIに置き換わり、自身のキャリアに不安を感じる層が増えています。
  • エッセンシャルワークの「人不足」:厚生労働省の推計によると、2026年度には約25万人の介護職員が不足するとされています。有効求人倍率は依然として4倍近い高水準です。

つまり、「仕事を探している(または不安を感じている)事務職」と「人が足りない介護職」という、需給のミスマッチが起きているのです。


AIは1秒間に数万字のレポートを書けますが、車椅子からベッドへの移乗をサポートすることも、認知症の方の不安に寄り添って微笑むこともできません。

「AIに代替されない仕事」の代表格は、物理的な接触と高度な感情労働を伴う介護・福祉です。

これからの時代、ホワイトカラーのスキルを活かしつつ、現場でAIやDX(デジタルトランスフォーメーション)を使いこなす「アドバンスト・エッセンシャルワーカー」の需要が高まります。異業種からの転職者は、まさにこのポジションの即戦力候補なのです。


これまでのように「優しさ」「やりがい」だけを前面に出した求人では、他業界の人材は動かせません。彼らが求めているのは、「将来の安定」と「スキルの転用可能性」です。

事務職・他業種出身者へアピールすべき3つのポイント

  1. 「AI時代でも失われない圧倒的な職域」
    • 「10年後もAIに取って代わられない、一生モノの対人スキルが身につく」という安定性を強調。
  2. 「あなたのDXスキルが現場を変える」
    • ITリテラシーのある人材に対し、「記録のデジタル化やICT導入を主導してほしい」と、現場改善のリーダー候補として期待を伝える。
  3. 「マネジメント経験の正当評価」
    • 他業界での店舗管理やチームリーダー経験を、介護現場のユニットリーダーや施設長候補として高く評価する賃金体系を提示。

「介護の資格がないから……」と尻込みしている層に向けて、ハードルを下げる工夫が必要です。

  • 「未経験歓迎」のその先を見せる:「未経験でも大丈夫」ではなく、「あなたの事務経験が、入居者様のご家族とのコミュニケーションや、効率的なシフト作成に活かせます」と、前職のスキルとの共通点を具体化する。
  • リスキリング支援の充実:「入職後の初任者研修費用は全額負担」など、ホワイトカラーからエッセンシャルワーカーへの「スムーズな越境」をサポートする制度をアピールする。

介護・福祉業界の採用難を突破する鍵は、「福祉の心を持った人」を探すことではありません。「AI時代に、自分の価値をどこで発揮すべきか迷っている優秀なビジネスパーソン」に、介護というフィールドの将来性を見せることです。

「人手不足」を嘆くフェーズは終わりです。今こそ、他業界から才能を奪いに行く「攻めの採用」を始めてみませんか?


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